「輝く今日を見つめて」2015.9.5

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カイコを回顧

日本が少子高齢化社会になっていることに伴い、認知症患者が年々増え
続けていることが厚生労働省の調査で明らかになっています。65歳以上の
高齢者のうち認知症を発症している人は2012年時点で約462万人に上り、
2025年にはその約1.5倍となる700万人を超えるとの推計が発表されました。

 また、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の患者数を加えますと、
約1,300万人となり、65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍と
いえます。
 
 根本的な治療法がない認知症ですが、昆虫のカイコにこの認知症を改善する
ヒントがありました。カイコのサナギに寄生するキノコの一種、カイコ冬虫
夏草に人の記憶力を回復させる効果があることが分かったのです。

 そもそも、認知症患者は記憶を司る海馬が萎縮する症状が見られ、進行するに
つれて、短期記憶の能力が著しく低下してしまいます。しかし、カイコ冬虫夏草
から分泌される成分が海馬で起こっている細胞形態変化や異常繁殖を伴った
神経謬症を消失させることがわかったのです。

 カイコ冬虫夏草の煮出し汁を実験用のマウスに飲ませたところ、脳の中で
記憶を司る海馬の傷(グリオーシス)が治り、記憶力が良くなったそうです。

 そこで、人にも応用できるのではないかと臨床実験が行われました。4年前に
認知症と診断された方が、病院で処方された薬と合わせてカイコ冬虫夏草の
粉末を1日2回投与していました。当初は、日付事に薬の仕分けをする単純な
作業もできなかったのですが、約3ヵ月経ったときには、間違えずに仕分ける
工夫をし始めるようになったのです。

 また、別の認知症患者におきましては、歯医者での会計では1万円しか
渡せなかったのですが、3ヶ月で小銭を渡せるまでに改善したのです。
 
 現時点では認知症の治療薬はなく、進行を遅らせる医療品の開発が進んで
いるのが実態です。また、動物では良い結果が出たけれども人には効果が
なかったという薬は今までにも沢山ありました。

 ですので、今後これが新薬と認められ製品化されれば、認知症患者を抱えて
いる人にとっては一筋の光となるのではないでしょうか。世界におきましても、
認知症患者は毎年770万人ずつ増加しており、世界の認知症患者は2030年には
2012年時点の2倍、2050年には3倍以上になるとWHOは推測している程です。
そのような状況を解決するためにもいち早く製品化されてほしいものです。
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