「輝く今日を見つめて」2015.5.7

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アジア経済成長への道?シルクロード構想?

紀元前2世紀の漢の時代、中国特産の絹が西方のイラン、インド、ローマに
運ばれた絹の道、この道がいわゆる「シルクロード」の始まりです。

先日4月15日、中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)
の創設メンバーが計57カ国で確定しました。今後、中国はAIIBをテコに
アジア全域で陸と海のインフラ整備し、「シルクロード構想」と呼ぶ経済圏
づくりに向けて動き出します。今週に入りましても、中国とパキスタンを結ぶ
「中パ経済回廊」の沿線開発に約5.4兆円を投融資することで合意し、驚く
ようなスピードで日々具体化し、進展しています。

太平洋とバルト海を連結させ、東アジア、南アジア、中東をつなぐ輸送
回廊の建設により、こうした地域を合わせると30億人規模の巨大市場となる
予定です。
 
しかし、そのような背景には中国の焦りも見え隠れしています。現在、
広東省では閉鎖する工場が多く、経済発展に伴う人件費や物価の上昇に加え、
近年の地価高騰や通貨切り上げで、中国沿海部では生産の維持が困難になって
いる現状です。

世界の工場の中心を担っていた中国では、繊維工場や電子部品工場が
相次いで倒産し、経営者の夜逃げのニュースなどが頻繁に報道され、何百人
単位の労働者による抗議活動が各地で注目されるようになりました。

加えて、今年3月初旬に開催された全国人民代表大会の政府活動報告で、
昨年の経済成長率は24年ぶりの低い水準の7.4%となり、2015年の経済成長率
については「7%前後」としています。

13億人の人口を抱えている中国では雇用維持のために「8%以上の成長率」
の維持が必要と言われていますが、それを割り込んでしまった今、中国は
大きな壁に立ち向かっているところです。

そのような中、雇用維持に必要な成長率を取り戻すための起爆剤として、
巨大プロジェクトである「シルクロード構想」が動き始めています。

日本経済にとっては、中国が進める「シルクロード構想」が重しになり
かねないとも懸念されています。拡大が予想されるアジアのインフラ需要を
めぐって、中国政府が主導するAIIBに対して創設メンバー参加を日本が
見送ったことで、「蚊帳の外」に置かれています。

インフラ設備には必ず必要なモノ。毎年、中国が10%以上の経済成長を
続けていた2000年からの一次産品全銘柄上昇時代の再来が近づいてきている
ように感じます。

AIIBがどのような姿勢で新興国との関係を築いていくのか、
日本の対応はどうなのか、今後の展開に目が離せません。
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