「輝く今日を見つめて」2015.4.3

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リバース・モーゲージ
 
 今後のわが国の問題として一番に挙げられるのが少子高齢化です。
その中で最も影響を受けるとされているのが、年金の制度です。
今のままでは支給額が減少し、老後生活に不安を抱える世帯が増える事が
懸念されます。

 そこで、その不安解消に一役買うであろう制度がリバース・モーゲージです。
この制度は金融機関や地方自治体が貸し手となり、現在居住する土地建物を
担保にして、一定の金額を受け取れる制度です。最終的には死亡時に土地の
売却等により借入を一括して返済する仕組みですので、購入する土地建物の
資金を一括して借り入れて月々返済する住宅ローンの逆の形となります。

 これにより固定資産から現金を手にする事ができるため、この制度の普及に
よって消費が増え、雇用増加にも繋がると考えられます。ある試算のよると、
GDP押し上げ効果0.13%が期待できるとされますので、日本経済に多大なる
影響を与えます。

 ただこの制度、実は1980年代には東京都武蔵野市が開始していながら、
日本における累積契約数が3000件も満たしておらず、浸透していません。
その理由が三大リスクです。その内訳は、融資が始まってから地価が下がる
リスク、長生きする事で融資を受ける年月が予定より長くなるリスク、
そして金利が上昇して融資返済額が担保価値を上回るリスクです。

 日本には、これらの危険性に対する具体的な対処法がありません。

 ところがその危険性をうまく回避し、この制度を普及させているのが
米国です。上記のリスクがある事はアメリカも同じですが、そのリスクを
政府が負担しています。それはHECMというもので、借手の返済不能
部分を政府が肩代わりする保険です。

 また、それを裏づけとした証券も発行するため、投資家がそれを購入する
事によりリスクを分散しています。その証券市場が今では米国債の規模と
並ぶほどですので、どれほど普及しているかをおわかり頂けると思います。

 現在、年齢別の貯蓄率を見ると、60歳以上の貯蓄率はマイナスとなって
おり、勤務時代に貯めた貯蓄を取り崩して生活しています。それに加えて
支給される年金が減るとなると、消費が減る事は目に見えています。

 現在でさえ、日本経済は供給過剰の状況でデフレになっているにも
かかわらず、高齢化が進むと需要面がもっと悪化する事が目に見えます。

 そうなる前に、高齢者に豊かな老後生活をもたらし、一つのデフレ対策にも
なるこの制度の普及に、政府には力を入れる必要があるのではないでしょうか。
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