「輝く今日を見つめて」2014.10.7


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ソニー創業精神は今 。。。

 復興への意気込みは格別だった。戦後、「人間宣言」した昭和天皇は精力的に被災地や生産現場を訪問して、国民と共に歩む姿勢を示した。先に公表された「昭和天皇実録」には、「今後は基礎の上に新日本建設に力を尽くしたい」という言葉が記録されている。
 昭和37年に天皇が視察したのがソニーの工場だった。世界最小、最軽量のテレビの試作品を見た。当時社長の井深大は「身を乗り出すようにして小さなテレビの絵をご覧いただいた」(「私の履歴書」)と述懐している。極秘の新製品で「まだ世の中にでていませんから」と説明、のち「天皇に口止め」と話題になった。
 同社は独創的な製品を次々に開発して世界企業に成長した。が、いま創業以来の危機にあえぐ。伝統のテレビが売れない。活路を開こうとしたスマートフォン事業でも躓いた。今期の赤字予想を500億円から2300億円に下方修正し無配に転落する。中国など海外勢の台頭に押されっぱなしで、打つ手が見つからない。
 ソニーの前身は、新兵器を開発していた技術者が戦後、設立した。技術をたよりに日本再建につながる製品の開発に全力を注ごう。会社が大きくなり組織が膨らんで、その初心を忘れたのではないか。井深は早くから「大企業病」の弊害を社内に警告していた。まず初心に帰る。そこから復活への意気込みを見せてほしい。
春秋2014.9.22
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